top of page

#29 病気のこと⑥(入院)

4日目②

午前中、清拭をして背中が濡れたのを我慢して、なんとか歯を食いしばり座って午後からもう一度やろうと言う言葉を信じ、私は、ずっと待っていました。午後の検温などが済み、きっと色々な事が落ち着いたら来てくれると…


しかし、3時…4時…ついに5時がきました。

もう看護師の日勤勤務時間は終わりです。

朝、換気しようと開けた窓もそのまま。

どう表現したらよいのでしょう、怒り?

失望?悲しみ?どう言い表したら良いか、わからない感情に襲われました。


そして、6時夕食の配膳が来ました。

私は、抱えていた思いが溢れでてわーぁっと泣き叫びました。

配膳係の助手さんがビックリして、どうしたのか?聴いてくれました。

その後、準夜勤の看護師さんが来て話を聴いてくれました。ごめんなさいと貴女に謝られてもという気持ちと、言ってくれないとという言葉が更に私の心に突き刺さりました。


そうです、私だってそちらの立場の時は忙し業務の中言ってくれれば良かったのにと思ったことでしょう。

患者の立場になったらそんな、小さな事も凄くすごく、辛いのです。

時間がたってこの時の事を思い出すと、今度は果たして私は細やかに気を配ることができていただろうか?と自分に問いかけてみるのです。

看護師も人間です。仕事も激務です。

でも人対人だから「ごめんなさい、今日はできなかったけど、明日頑張ろうね」

たった一言で良いのです。

Comments


bottom of page